給与や待遇にこだわらないのは美徳でも何でもない話(後編)
前回に引き続き、ノースサンドの人事の炎上ツイートについて感想を発信していきます。
前編でも記載した通り、どういった価値観でこのツイートを発信したのか気になって大塚さんの人となりを調べてみました。
そこでわかったのは彼女が極度の潔癖症であるという事です。
当然ですが、人材採用の仕事をしていると優秀な人材を獲得するためには自社のPRしなければならなくなります。
例えば、技術者派遣のような人を雇えば雇うほど売上と利益に直結するようなビジネスモデルの会社ではそれが顕著であり、採用活動で嘘をついてまで自社に勧誘するケースさえあります。
そうでなくとも都合の悪い情報を後出ししたり、長所を殊更に押し出してミスリードさせるような事は、採用活動ではよくある話です。
しかし、彼女の場合は"仕事だから割り切ろう"と考える事ができないわけです。
こうしたことから、彼女は目先の採用ノルマをこなせても定着しなければ意味が無いと考えていますし、"優秀な人材を高給で雇う"よりも、ミスマッチを予防して"辞めない人材を雇う"のが目的だからこその発言であると理解しています。
特に中小企業やベンチャー企業にとって人材確保は死活問題ですし、離職者が出るのを見越して採用している大企業とは状況が全く異なります。
でも間違いなく文字数が少なくて誤解を招きやすいTwitterで発信する内容ではないですよね。
多少は私の偏見も混じっていますが、人生の中で本気で自己研鑽にコストを費やしてきた人が求めているのは"良い仕事に就いてコストを回収したい"という事です。
そうしたバックグラウンドの人にとって大塚さんのツイートは"安い給料でコキ使いたい"と言っているように受け取られても仕方無いですし、そんな会社は実在します。
過去の大塚さんのように「就活に興味が持てなくなった」と言って就活を辞める傍らで、自分が人生においてかけてきたコストを回収するために給与や待遇にこだわる人もいるわけです。
そうしたバックグラウンドの人が大塚さんのツイートを読んだらどんな捉え方をするのか想像できなかったように思います。
今回の炎上でノースサンドをブラック企業だと思って応募するのを辞めた学生もいると思いますし。
大塚さんの考え方について全く知らない人がこのツイートだけを見たら"給与や待遇にこだわるのは悪"と主張して、意識高い系の人が自分にとっての美徳に酔っていると感じるのは当然です。
繰り返しになりますが、彼女が本当に言いたいのはコンサルタントの仕事に対してキラキラとしたイメージを持った学生に対してネガティブな面も正直に伝えた上でミスマッチを無くしたいという事であり、規模が小さい自社では高い給与や待遇は約束できないから他の仕事で頑張って欲しいと言っていると理解しています。
追伸
大塚さんの価値観や人となりを詳しく知りたいと思った方は以下の記事を読んでみてください
給与や待遇にこだわらないのは美徳でも何でもない話(前編)
今回、というか今回も久しぶりの執筆となりました(笑)
最近、ノースサンドというITコンサルティングのベンチャー企業の人事のツイートが炎上しました。
新卒採用担当を採用したいと思い、沢山の方にご応募いただいているのですが、給与や待遇にこだわりのある人とは働きたくないのです。。。
私は、会社の顏となる人事だからこそ、待遇/給与で会社を選ぶ方と働きたいとは思わない。
このツイートを見た当初は、彼女が言いたいのは以下のような事だと解釈していました。
「ベンチャー企業ゆえに大した待遇は用意できないので給与にこだわりが強い人は雇えません」
「大手ほどの待遇は用意できないので会社の理念に共感してくれる人と働きたい」
しかし、このツイートが炎上してから自分も興味が沸いて彼女の経歴を調べたところ、私は彼女が本気で給与と待遇にこだわらずにやりがいを追求するのが格好良いと思い込んでいるように感じられてきました。
というのも、過去に私が年齢の近い中学校教師の女性に対してジョブホッパーの話をした際に言われた事を思い出したためです。
「自分が働いていた会社に情が移ったりしないんですか?」
「給料よりもやりがいとかで仕事を選んだ方が良いと思います」
そもそも給料とやりがいは相反するものではなく、給料や待遇もやりがいの一部です。
それに例え給与に強いこだわりが無くても、自分に高く評価されて且つ替えが利かない能力があれば黙っていても高い給与は勝ち取れます。
誤解を招く言い方になるかもしれませんが、そうした能力が無い人の中には"給与や待遇にこだわる事"を格好悪い事だと勘違いする人がいるのもまた事実です。
この話の詳細については後編にて執筆させていただきます!
問題解決の手法とノウハウのブラックボックス化の防止
最近は新しい記事を作成する度にお久しぶりです(笑)
以前、Twitter で”業務において資料を残す重要さ”についてツイートしたところ、共感の声をいただきました。
そこで今回は私が普段の業務において実践している短時間で資料を作成する方法を発信します。
まず前提として、頭脳労働者として働いている以上は業務をこなしていく中で必ず何らかの問題に直面するものですし、その度にどのように問題解決していけばいいか悩むものです。
そこで求められる事は、目の前の問題を解決するのはもちろんのことなのですが、問題解決のプロセスを明文化して共有可能にすることであると考えます。
こうして資料をその都度残していくことで社内での情報共有が可能となり、ノウハウのブラックボックス化を防ぐことができます。
続いて、私が実践している資料作成の方法を紹介します。
まずは A4 のコピー用紙を用意して、こちらに示す順に自分の思考を紙に書き出していきます。
(1) 何が問題なのか
(2) 問題の原因は何か
(3) 問題解決にどのようなソリューションが考えられるか
(4) どのようなソリューションが理想的なのか
(5) 問題解決の手法と選んだ理由
この手順に従って自分の思考を整理していくことで、思考が言語化できて上司や同僚に説明するときにもスムーズに進める事ができます。
それに加えて、この自分の思考のプロセスを明文化した A4 の紙を共有することで、根拠だけでなく思考のプロセスを含めて言語化した資料を残すことでノウハウの共有もできるわけです。
この方法はたった10分程度の時間をかけるだけで大きなメリットがあるものの、若手であったりといった理由で社内での立場が強くない場合、たとえ提案したとしても『手間をかけた結果どうなるの?』などと言われてしまいがちです。
これは私の偏見も入っているのですが、特に日本語の文章がロクに書けないような社員が大半を占めるような会社ではその傾向が強いと感じています。
そこで、先ほどお話ししたA4の紙の活用方法について、さらに深堀りして解説していきます。
この紙を使用して思考を言語化して整理することで、色々な場面で応用することが可能になります。
例えば、人にアイデアを提案したいときには以下の順に説明すれば良いです。
(1) 問題解決の手法と選んだ理由
(2) 何が問題なのか
(3) 問題の原因は何か
(4) どのようなソリューションが理想的なのか
(5) 問題解決にどのようなソリューションが考えられるか
一方で、相手の吹っかけてきた無理難題を回避したい場合には以下の順に説明すれば解決します。
(1) 問題の原因は何か
(2) 問題解決にどのようなソリューションが考えられるか
(3) 問題解決の手法と選んだ理由
このように、情報を言語化して整理していく作業に時間を割くことによって非常に大きなメリットが得られるわけです
今回は以上です。
他人の目が気になるのは他己評価の適当さを理解していないから
どうも、最近は更新する度にお久しぶりです(笑)
今回は"他己評価が気になって仕方が無い人"に提案したい考え方について記載していきます。
突然ですが、皆さんは"少数の法則"という心理学用語をご存じでしょうか?
これは"試行回数が少なくて偏ったデータになったときに、無条件でそれを信じ込むこと"を指した用語です。
例えば、外国人のほとんどいない職場で何回指導しても時間を守ることが出来ないインド人がいたとします。
実際は彼自身が時間を守れないだけなのですが、これを見て"インド人は時間が守れない"というレッテルを無条件に貼ってしまう人もいるわけです。
このように氷山の一角だけを見て物事全体を捉えた気になって客観性を失ってしまう事は非常によくある話です。
これはそのような物事の捉え方しか出来ない人がそうなるんだ、という話ではなく実は誰にでも起こり得ることです。
自分に自信が無かったり自己肯定感の低い人ほど、"他人の目が気になってしまう"という悩みを抱えてしまいがちですが、この"少数の法則"のように他人は自分の一部分しか見ていないですし、他人から自分への評価なんて定量的に評価できるものでもない限り単なる適当な印象だと思って差し支えないです。
例えば、私自身の話なのですが、過去にとあるネットワークビジネスの団体に所属していた知人から以下のような批判を受けた事がありました。
「実際に自分がチームとして活動していたわけでもないのに"○○はこうだから"と一括りにして発言しているのが気に食わない」
率直に申し上げますと、過去にこのネットワークビジネスの団体について一括りにして発言したことが全く無いです。
他者からの評価なんて"この人はこういう人だ"というレッテルだけでいくらでも自分の言動や行動を脚色されていくものですし、その人自身は脚色されたものを本物だと信じているのですから相手にするだけ無駄なわけです。
以上の事から他人の自分に対する評価というのは、何を言われたとしても"自分の実際の姿"ではなく"その人の評価"なわけですし、他己評価を自分の本当の評価であると捉えるのは間違いなく誤認である"というのが今回私が伝えたい事でした!
今回は以上です!
人から信用されなくなる習慣
どうもです!
今回は仕事を進めていく上で人からの信用を無くす習慣について記載していきます。
このブログを読んでいる人(≒私のTwitterのフォロワー)の中には、仕事を進めていく上で他部署や取引先に対して信用できないと感じることは無いでしょうか?
個人的な主観や経験に基いた経験から、相手に対してこのような感情を抱くようになってしまうのは"相手が何をしているのかわからないから"であると感じています。
例えば、部下や他部署の人に何かを仕事を依頼したときにその人が何のアウトプットも出してこなかった場合、真っ先に以下のように考えてしまうのではないでしょうか?
"他の業務で忙しいから対応できないのか?"
"頼んだ仕事を忘れていないか?"
"自分の仕事の優先順位が低いと思われていないか?"
このように相手が何をしているのかわからないがために色々な可能性を想像して悶々としてしまうものですし、酷い場合には"この人には仕事を頼みたくない"という感情すら抱いてしまう人さえいます。
しかし、これは逆に言えば"自分が何をしているのか客観的にわかるようにすれば不信感を抱かせずに済む"と言うことも出来ます。
そこで、私は人から信用されるようになる習慣として以下のアクションプランを提案します。
(1) 独力で解決できる問題を全て解決した上で相談
(2) メールには即レス
(3) 進捗は可視化する形で報告
まずは1点目に関して説明します。
これは何か業務を依頼されても何らかの理由で対応できないとき、何が問題になのかを文章化して、その中で自力で解決できる問題は全て解決した後にこれからどうするのかを相談するということです。
こうして問題解決のためにどのようなことをすれば良いのかを見える化してシェアすることで、お互いの認識の違いを防ぐことができるだけでなく依頼する側も相手の事情やバックグラウンドを考えた上で何をすれば良いのかを考えることができるようになります。
2点目について説明します。
例えば、メールで何か問い合わせがきたときにその場で回答が出来なくても"17:00までに返答します"といったように期限を決めてすぐに返答することで、少なくとも無視せずに対応していることを相手に伝えることが出来ます。
3点目についてですが、私は進捗を伝えるときには必ず文章にして伝えるべきと考えています。
口頭で報告した方が早いからという理由で電話等での報告を好む人も多いですが、こうした方法では相手の時間を奪うだけでなく”言った言わない問題”が発生してしまいがちです。口頭連絡の場合、会話の参加者同士で連絡した内容がクローズしてしまうため、お互いにシェアすべき内容を忘れたら終わりですし、ひどい場合には都合の悪い内容を揉み消しやすいという欠点があります。
しかし、文章にして残すことで報告する側も頭の中を整理できると共に、報告される側も報告内容を詳しく確認するようになるため、お互いに本来知りたいはずの情報が共有できないという事態を防ぐことも出来ます。
色々と記述していきましたが、一言でまとめるなら"自分のやっていることを見える化した上で周りの人にもシェアする"ということです。
人は自分の知らないものに対して思い込みで決めつけてしまう思考の癖がありますので、相手に情報を与えることは自分への誤解を防ぐことにも繋がるわけです。
今回は以上です!
文章の読み書きができない人
今回は仕事等で文章の読めない人と付き合っていく上での注意点や、情報を過不足なく伝える技術について記載していきます。
仕事だけでなくSNSを運用していると、たまに"文章の読み書きができない人"と接する機会があります。
文章が書けない理由としては、大きく以下の2点の理由が挙げられます。
(1) 論理的に物事を考える能力が乏しく自分の思考を言語化できない
(2) そもそも文章の書き方を知らない
しかし、文章の書き方に関してはある程度型がありますし、それさえ学べば誰でもそれっぽい文章を書けるようになります。
個人的に問題だと感じているのは"文章の読めない人"です。
例えば、仕事で言うとメールで言及している内容について電話で問い合わせてきたり、取扱説明書に書いてある解決策を読まずにクレームを付けてきたりといった人たちの事を指します。
それ以外にもニュースサイトの記事やTwitterでも明らかに内容を全て読まずに一部分だけをかいつまんで自分の中で拡大解釈してクソリプを飛ばしたりといった迷惑行為に走る人が世の中には一定数存在します。
メールやニュースサイトならともかくTwitterでこのような行動に走るのは"140文字以内の日本語の文章すら読めない"ということと同義であり、これではさすがに文章で会話を成立させるのは困難です。
これは私の周囲だけの話ではなく多くの人が同様の経験をしていますし(特に営業職の友人等)、なんていうか世の中には想像以上に文章の読めない人で溢れている可能性すら垣間見えます。
しかし、仕事でのお客様だったりした場合には何とかして付き合っていかなければなりません。
文章が読めないのであれば書き手側がわかりやすい文章にするよう工夫すれば良い話であり、文章の読めない人を読めるようにするために執念を燃やすのは無意味です。
私の場合は文章の書き出しの1行目に結論を述べるようにしています。
これは"結論ファースト"という有名な手法であり、最初に結論を述べることで相手に対して次の展開を予想しやすくするための技術です。
今回の記事で紹介する本では、文章の書き方を簡明且つ構造化して学ぶことが出来ます。
某ビジネス系Youtuberがビジネスライティングの教本の決定版として紹介しており、それがきっかけで手に取ったのですが本当にわかりやすく学べました!
今回は以上です!
サブスキルとしてのプログラミングならVBA推し
最近、プログラミングを習得したい人が周りにいるため、オススメの言語を紹介していきます。
この記事は本業でプログラミングを使用していない人向けに作成しています。
そんな人たちに最もオススメしたい言語はVBAです。
そして数ある言語の中からVBAの習得を推奨する理由は3つあります。
(1) 開発環境の構築が不要
(2) 習得難易度が他言語に比較して平易
(3) 幅広く応用が利きやすい
まずは(1)の開発環境の構築が不要という話ですが、VBAの場合はMicrosoft Officeを使用する職場であれば、簡単な初期設定だけ済ませればいつでも簡単に始めることができます。
今最も流行っている言語はPythonなのですが、これを使用するとなると他言語でもそうなのですが開発ソフトをインストールしなければならなくなります。
会社内で使用するとすると、新しいソフトをインストールするためにわざわざ相談して社内承認を獲得して...という非常に面倒なプロセスを踏むことになります。
しかし、こうしたプロセスを全てショートカットして使用ができるため、非常に使いやすく汎用性も高いことから断然オススメなわけです。
そして(2)の習得難易度の話ですが、基本的に英単語の羅列のようなコードになっているため初学者でも取っつきやすいです。
それゆえに業務改善レベルのプログラムであれば簡単に開発できるようになります。
時間にしてみると1日2時間くらい勉強すれば2週間くらいで使いこなせるようになるはずです。
最後に(3)の幅広く応用が利きやすいという話ですが、恐らくプログラミング未経験者が思っている以上に様々なことに応用できます。
よくVBAを単純動作の自動化にしか使用しないものであると思っている人がいるのですが、これは大きな誤解です。
データのまとめ方を工夫すればシミュレーションソフトとしても運用できますし、使いこなせれば便利なツールもすぐに開発することが出来るようになります。
今の時代はVBAの習得方法はネットで調べれば簡単に良いサイトが見つかりますが、参考として私がVBAの習得のために使用した書籍を紹介します。
今すぐ使えるかんたんEx Excelマクロ&VBA プロ技 BESTセレクション [Excel 2016/2013/2010/2007対応版]
- 作者:土屋 和人
- 発売日: 2016/07/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
今回は以上です!