会社が極悪非道な行為に走る仕組み
今回はある会社での実例を踏まえた上で、会社が極悪非道な行為に走る仕組みについて記載していきます。
ある会社では、以下のような行為がまかり通っていました。
・マナーの悪い中途入社者に対して"懲戒解雇か自己都合退職かどちらか好きな方を選べ"と迫る
・新婚で転勤できないけど有能な応募者を入社させるために転勤の心配が無いと嘘をついて入社後に単身赴任を迫る
・"前例が出来ると困る"という理由だけで明らかに会社に非がある事を原因に従業員を即日でクビにする
...今思い出してみると本当にグレーな行為ばかりですね。しかし、この会社で働いている人たちがサイコパスばかりだったのかと言われるとむしろ逆でした。
どちらかと言うと真面目で保守的な公務員的な人たちばかりであり、小さな頃から親や教師の言うことを良く聞いてきたような人たちだったわけです。
しかし、これこそが会社を非道な行為に走らせる根源でした。
それは従業員が"エージェント状態"という心理状態に陥っていたからです。
"エージェント状態"というのは自分自身の心とは裏腹に権威のあるものの代理人としての使命感に駆られて業務を遂行しようとする心理状態のことであり、このケースでは会社から指示されたことを"代理人として"忠実に遂行した結果として社員の事情を蔑ろにした行為がまかり通っていたというわけです。
これ以外にも営業ノルマ達成のために上司に指示されるままに自身が価値を感じていないものを売りつけたり、マルチ商法への勧誘のために師匠に指示されるままに合コンを開催するといった、相手の事情や気持ちを全く考えていない行動に走ってしまうのも"組織のため"という大義名分があるからこそ為せる行動なのです。
さらに、エージェント状態の恐ろしいところは"一度大きな決断をすると自分の行動を正当化し始める"というコミットメントと一貫性という心理トリガーもセットで作動してしまうところにあります。
"組織で働くからには割り切って大人にならなければならない"だとか"みんなやっていることだ"といった言い訳を自分自身を守るために使うようになってしまうのです。
確かに長いものに巻かれるのが普通の人の生き方ですし、それに反旗を翻すのは子供っぽい行為であるとして非難される風潮があります。
しかし、会社の利益やノルマのために一個人を食い物にするような行為は決して許されるべきではないと考えますし、少なくとも俺はそんな組織では決して働きたくありません。
また、特定の会社にしがみつくために自分にとっての正義に反するような行為に手を染めたくない以上、自分にできる事は仕事が選び放題になるくらいに優秀になることであると考えています。
ちなみに今回紹介した"エージェント状態"という心理状態についてはこの本で詳しく紹介されています。
この本は"エージェント状態"について更に深堀りして解説してくれています。
紹介していると軽く記事一本をかけてしまうほどのボリュームになるので詳細な説明は本記事では省くことにします。
今回は以上です!